弓道部の後輩がかわいすぎて本気で好きになったのに何もできなかった話

高校の弓道部はいい思い出が多いです。
先輩が優しかったのもありますが、後輩がかわいかったのもあります。
後輩の中に一人私がそれまでの人生で会った中で断トツで一番かわいい子がいて、私は恋をしました。
でも場面緘黙の私はしゃべれないせいで何もできませんでした。
運命を感じた初恋
私は一応それまでにも、クラスの女子を好きになったことはありました。
場面緘黙でしゃべれなくても中身は普通の男子。
だからかわいい女子とか、優しい女子とかに惚れることはもちろんあります。
でも本気で好きになる前にいつもブレーキをかけてました。
なぜなら、場面緘黙の私が女子と両想いになって恋が実ることはありえないから。
好きになってもつらいだけなのがわかってるから、いつも本気で好きにならないようにしてました。
そんな私ですが、一人だけ本気で好きになった子がいます。
それが弓道部の後輩のSちゃんです。
なぜSちゃんのことをそんなに好きになったのか。
たぶん運命の人だったんだと思います。
Sちゃんはかわいさの天才でした。
表情・しぐさ・行動のすべてがかわいかったんです。
それもぶりっこみたいなわざとらしさはまったくなく、自然な動作が全部かわいいんです。
天才です。
顔のかわいさだけで見たらSちゃんよりかわいい人はアイドル・女優の世界にはたくさんいます。
でも顔だけじゃない全体的なかわいさでSちゃんに勝てる人は全世界に何人いるかわからない。
私は頭の中で勝手にSちゃんを世界一かわいい子だと思ってました。
それでSちゃんのことを本気で守りたい、と思って好きになりました。
そしてたまたまですが、私とSちゃんは家が近かったです。
歩いて150mくらいの距離。
それも運命と感じた理由の一つです。
しゃべれないせいで声をかけれず、何もできない悔しさ
私とSちゃんは家の方向が一緒なので時々帰るタイミングが被ることがありました。
普通そういうときは同じ部活だし、一緒にしゃべりながら帰りますよね。
でも私はしゃべれなかった。
そしてSちゃんは奥手で、先輩男子に自分から声をかけるようなことはしないタイプでした。
こっちから話しかけない限り会話は起きません。
だから私とSちゃんは帰るタイミングが被ったことが何度あっても、一度も会話も挨拶もしたことがありませんでした。
Sちゃんが私をどう思ってたかはわかりませんが、変な先輩だと思われたでしょうね。
私にはこれが悔しくて悔しくて仕方なかったです。
だってSちゃんを運命の人だと思ってた私には、部活帰りに2人きりでしゃべる、という恋をするならこれ以上ないくらい絶好のチャンスが与えられてたんです。
たぶんよほどのヘタレじゃない限りこんなチャンスがあれば少なくとも恋愛につながるかはともかく、Sちゃんと仲良くなることはできたでしょう。
そういうチャンスがあったことからも私はSちゃんを運命の人だと感じたんです。
つながるくしてつながる的な意味で。
Sちゃんはかわいいし彼氏がいたかもしれませんが、少なくとも弓道部の部活帰りに他の男子と一緒にいるところは見かけたことがなかったし私にもチャンスはあった。
でもその絶好のチャンスを活かせなかった。
このときほど、自分が場面緘黙であることを恨んだことはありません。
本当に悔しくて悔しくて自分を殺したくなりました。
自分を殺してでもしゃべりたかったです。
しゃべれない自分を殺してしゃべれる自分に生まれ変わりたかった。
死ぬ覚悟があればしゃべれるんじゃね?と思って何度か死ぬ気で声を出そうとしたりもしたんですが、出ませんでした。
前にも書いた通り、場面緘黙というのは自分の力だけじゃどう頑張っても治せなかったのです。
だから友達の力も借りようとしたんですが、その話は次の記事でお話します。
もしSちゃんに会える日が来たら斉藤和義の「ずっと好きだったんだぜ」を歌いたいです。
まぁもう結婚してると思いますけど。
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