私が幼稚園から高校卒業までの15年間、学校でしゃべれなかった理由

私は場面緘黙症=学校でしゃべれない病気でした。
そのため幼稚園〜高校卒業までの15年間、学校でしゃべってません。
その間ほんとはしゃべりたくてしょうがなかったです。
この記事ではなぜ私がしゃべりたいのにしゃべれなかったのか、自分なりに理由を分析してみたいと思います。
幼稚園でしゃべれなかったのは本能
幼稚園入園時。
私は極度の人見知り・恥ずかしがり屋。
幼稚園の前に親戚の家とか病院とかでもしゃべらず、家族以外の人とはしゃべれませんでした。
そして親と離れることの不安が強く、幼稚園入園時にあまりに泣いて嫌がったので入園を1年遅らせて年中からの入園になりました。
入園後は場面緘黙症を発症し、しゃべれず。出席を取るときに答えられず。
入園を1年遅らせたことが私にとって良かったのか悪かったのかはわかりませんが、無理やりでも幼少から入園してればしゃべれるようになってたかもしれません。
というのも実は私は年長のとき、教室で一番仲のいい子にしゃべったことがありました。
なんて言ったかは忘れましたが、それまでしゃべってなかったのに意外とすんなりしゃべれた気がします。
で、その友達は私がしゃべったことに特に驚いたりせず普通に反応しただけだった。
たぶんですけど、もし私があと1年長く幼稚園にいたらその子ともっと仲良くなってもっとしゃべれてた。
それで場面緘黙症を治せてたかもしれないと思います。
まぁ場面緘黙症の中には特定の友達とだけしゃべれてそれ以外の人としゃべれないというケースがあり、その友達とは小学校が別になったので結局しゃべれなかったかもしれません。
でもその人を通して別の友達ができたりすれば、普通にしゃべれる子供になってた可能性もあったかなと思います。
あとはそもそもですが、幼稚園入園前にもっと近所の子供と遊んだりしてればマシだったかなとも思います。
で、結局幼稚園のときは一番仲のよかった人と一言だけしゃべったときを除いて、しゃべった記憶はありません。
ちなみに私には姉と妹がいて、特に妹とはよく家で遊んでてしゃべってたのでこのときは会話力自体は問題なかったです。
小学校1年の時はいずれしゃべるつもりがしゃべれずじまいに
で、小学校入学。
幼稚園のときしゃべれた子とは別の学校になったこともあり、入学後場面緘黙症のまましゃべりませんでした。
小学生にもなるとみんな物心ついてくるので、周りの子たちも私をしゃべれない子として認識し始めます。
幼稚園が一緒だった誰かが
「○○ちゃん(小学生のときのあだ名)はしゃべらないんだよ」
と言って、みんなも私がしゃべらないことを理解したようでした。
当時はよく他の子供たちから
「なんでしゃべらないの?」
「あって言ってみて」
と言われました。
でも私はこのときはまだしゃべるつもりでいました。
だって家ではしゃべれるし、幼稚園でもしゃべったことはあるし、しゃべろうと思えばしゃべれると思ってましたから。
実際少し学校に慣れて心の準備ができたタイミングで周りの人たちが上手く協力してくれたらたぶん普通にしゃべれてたのではないかと思います。
しかし場面緘黙症なんて誰も知らない田舎の学校で、まぁそんな都合のいいことは起こりません。
しゃべり始めるチャンスがあったとすれば小1の終わり頃に一度だけ。
私の真後ろの席の人が2人でポケモンの話をしてたとき。
私もちょうどそのときポケモンにハマっててポケモン大好きだったのでその会話に混ざりたくてしょうがなかった。
勇気出してしゃべっちゃおうかと何度も思いました。
ここで勇気を出してればしゃべれるようになってたと思います。
でもここでしゃべれなかった私はもう完全にしゃべれない奴として自分にも周りにもキャラが固定されてしまってるのでそこからはどうにもできず。
何度か担任の先生に個室に呼び出されてしゃべるよう説得されましたが、しゃべりたくてもしゃべれないのにしゃべるよう説得されても仕方ないです。
担任の先生にしゃべるよう説得されたけどしゃべらないんじゃなくてしゃべれないのでどうしようもなかった話
で、結局小6までしゃべれないまま卒業しました。
中学入学時はしゃべれない人として認識してる人が多いのでしゃべれず
次にしゃべるチャンスがあったとすれば中学入学時。
小学生のときは子供なので本当はみんなとしゃべりたくてしょうがなかった。
でもしゃべれないキャラが確立しちゃってたからしゃべりたくてもしゃべれなかった。
だから中学では入学と同時に絶対しゃべり始めるぞ!と気合を入れて登校しました。
しかし教室に行ってみると、私がしゃべらないことを知ってる人がたくさんいる事に気づきます。
ここで突然私がしゃべり出したらみんな驚くはず。
そのときのみんなの反応を想像したら固まってしゃべれなくなりました。
で、私がしゃべらないままなことに気づいた誰かが
「○○君やっぱり中学でもしゃべれないんだぁ。」
と残念そうに言うのを聞いて、結局中学でもしゃべれないまま過ごすことになることを悟りました。
ただ中学も割とチャンスはあったと思います。
真後ろの席の人が小学校は別だけど同じ卓球部の人で、この人は最初私がしゃべらないことを知らず普通に話しかけてきたので、それに普通に答えてればしゃべれてましたからね。
しゃべるための心の準備ができてるタイミングで私がしゃべらないことを知らない人が普通に話しかけてきたらかなりしゃべり始めやすいと思います。
私はちょっとタイミングが遅かったのでしゃべれませんでしたが、惜しかったなと思います。
あとは授業中差されたとき。
この記事に書いたんですが、中学は科目によって先生が違うので、私がしゃべらないことを知らない先生が普通にしゃべることを期待して話してきます。
で、私は1回怖い先生に差されて思わずしゃべってしまい、授業中先生に差されたときはしゃべるようになりました。
そのときに最初は周りの子たちに
「なんだ○○君しゃべれるんじゃん!俺たちにもしゃべってよ」
と言われて、ここでしゃべっちゃえばよかったんですけど、注目浴びると緊張してしゃべれなくなるのが場面緘黙の性質なので結局しゃべれず。
中学からは生徒とはしゃべらないのに先生とはしゃべる変な奴になってしまいました。
そしてそのまま卒業しました。
高校入学時は知り合いも少なくチャンスだったが…
次に高校入学時。
実は私は途中まで、高校は少し離れたところにある、あまり知り合いのいない高校でしかも定時制で夜間に通おうかと思ってたんです。
中学入学時の経験で、知り合いがいない学校でならしゃべれると思ったことと、当時ハマってたネトゲを親の目がないとき(昼間)に思う存分やりたかったからというのが理由です笑
でも私の家から一番近い学校が徒歩5分なのに対して、その定時制の高校は電車+徒歩で片道1時間半もかかる。
私はネトゲをやりたかったので、通勤とかに無駄な時間がかかるのは死ぬほど嫌でした。
だから最終的には家の近くの学校を選びました。
そしてその学校に行ってみたら以外にも同じクラスに知り合いが少なく、私がしゃべらないことを知ってる人は4,5人しかいなかった。
だからこれはしゃべろうと思えばしゃべれるんじゃないかと思いました。
そして話しかけられたら絶対声に出して答えようと心の準備をしてました。

…でも誰も話しかけてきませんでした(泣)
高校生にもなるとプライドがあるのでみんな自分から知らない子に話しかけないんですね。特に男子は。
私の席の周りは特にそういう無口でクール系の男子ばかりだったので誰にも話しかけられず、私はしゃべり始める機会を失いました。
ここで中学のとき私の席の真後ろにいた人みたいな感じで普通に話しかけてくれる人がいたら普通に喋れただろうなと本当に思います。
しかし高校でもしゃべらないキャラが定着するのに時間はかからず、やっぱりしゃべらない人としてキャラが固定されてしまい、ずっとしゃべれないまま青春を終えることになりました。
ただ今思うと、部活のときだけでもしゃべればよかったなーと思います。
弓道部だったんですが、部内には私がしゃべれないことを知ってた人が女子に幼稚園一緒だった人2人いるだけ。
で、なおかつ1年生だけの練習をする時間が長くてそのときは私がしゃべれないこと知ってる人がいない時間帯が結構あった。
そして練習中に先輩に話しかけられたとき、普通に考えて答えなきゃまずいでしょというタイミングはあった。
さらに言うと、その弓道部の主将が姉と同じクラスでしゃべらないことを知られるのは恥ずかしかった。
これだけの条件が整ってたのに何でしゃべらなかったんだろうと思います。
まぁ教室でしゃべらないのに部活ではしゃべるのは変だと思ってしまったんでしょうけど。
ここでしゃべってればどんなに良かっただろうと思うと悔しいですね^^;
最初にしゃべらないのは場面緘黙症。あとはキャラの固定化が原因
ってことで私が15年間しゃべれなかった原因を分析すると、最初の幼稚園や小学校入学時にしゃべれなかったのは間違いなく場面緘黙症が原因です。
でもその後はしゃべろうと思えばしゃべれそうな場面はいくつもあった。
そういうときにしゃべれなかったのは長年身に付いた習慣、しゃべらないキャラが固定化しちゃってることが原因でした。
一度しゃべらない奴として自分でも周りからも認識されちゃうとなかなか自分の意志ではそこから抜け出せなくなる。
場面緘黙症は社会的不安でしゃべれなくなる病気ですけど、小学校も中学も高校も普通に慣れてきてからは全然不安じゃなかったですからね。
ただしゃべれない自分を変えたくても変えれなかっただけです。
前の記事に書きましたが8才か9才、つまり物心つく頃までにしゃべれなかった人は高校〜高校卒業までしゃべれないままなことが多いそうです。
つまり場面緘黙のままで年齢が上がれば上がるほど治すのが難しくなるんです。
ちなみに大学に行く頃には学校以外で知らない人とは普通にしゃべれるようになってたので誰も知り合いのいない遠くの大学に行くことで場面緘黙を克服できました。
今思うと中学や高校のときに学校外で何か習い事とかをしてればそこではしゃべれたはずで、それによりもう少し早くしゃべれるようになることも可能だったんじゃないかと思います。
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