80歳ぐらいのおばあちゃんに道を聞かれて答えてから、知らない人とはしゃべるようになった話

場面緘黙だった私は、最初家族以外の人とは一切しゃべれませんでした。
親戚の家でも、病院でも、床屋でも。
でもある日道端で知らないおばあちゃんに道を聞かれたことをきっかけに、知らない人とはしゃべれるようになりました。
80歳ぐらいのおばあちゃんに道を聞かれたのでしゃべった話
場面緘黙で家族以外の人としゃべれない私が初めて知らない人としゃべった経験。
それが80歳ぐらいのおばあちゃんに道を聞かれたときです。
ある日一人で歩いてる時に、80歳くらいの白髪で腰の曲がったおばあちゃんに声をかけられました。
「駅ってどっちにあるの?」
と。
私はたぶんそれまで知らない人としゃべったことはなかったんですが、このときはすんなり言葉が出てきました。
「ここまっすぐ行くと踏切があるから踏切渡って左ですよ」
「ありがとう」
とお礼を言われていいことした、と嬉しい気持ちになりました。
(実際はおばあちゃんの耳が遠い+私の声が小さいので何度か聞き返されて、なんとか通じた感じです笑)
あとから考えるとよくしゃべれたなって思いますが、さすがに80歳ぐらいのおばあちゃんに道を聞かれて無視するわかにもいかないですからね。
あまり抵抗なく声が出せました。
小学校中学年以降の場面緘黙児がしゃべれない理由はしゃべれないキャラとして固定化しちゃってるのが大きい
場面緘黙の人が大きくなってもなかなかしゃべれない理由。
それはしゃべれない子供として、周りの子たちに認識され、キャラが固定しちゃってるからです。
基本的に場面緘黙の子供がしゃべれない理由って始めは極度の人見知りみたいなものです。
だから本来であれば慣れればしゃべれるはずなんです。
でも慣れてきてからもしゃべれないのはしゃべれないキャラとしてキャラが固定しちゃって周りにしゃべれない人として認識されちゃうから。
そうなるといくら本人がもういい加減しゃべりたいとか、そろそろしゃべれそうだなと思っても最初の一言をしゃべることができなくなります。
今までしゃべらなかった人がいきなりしゃべったらみんなびっくりしますけど、本人にとってこれはみんなの前でいきなり服を全部脱いで裸になるようなものです。
そしてこれはしゃべろうという本人の意志でもなかなかどうにかなるようなものではなく、どれだけしゃべろうと頑張っても、声が喉のところで止まっちゃって出てこなくなります。
学校でしゃべれない私も何度かしゃべりたくなってしゃべり始めようとしましたが無理でした。
つまり場面緘黙児がいつまで経ってもしゃべれないのは周りにしゃべれない奴として知られてるからで、しゃべれないことを知らない人とならしゃべれたりします。
だから私が80歳くらいのおばあちゃんに道を聞かれてしゃべったときも、このときはたまたまだと思ったんですが、たまたまじゃなかったということですね。
プライドが高かったこともあり、床屋や病院でもすんなりしゃべれた
幼稚園時代の話で私が親嫌いで親に一切甘えなかったことを書きました。
しかし場面緘黙でしゃべれない私は病院に行くとき、床屋に行くときなど、何かと困る場面がありました。
そんなとき、基本は私の代わりに親がしゃべってたんですが、私にもプライドがありますし、嫌いな親にいつまでも甘えてる感じになるのは嫌でした。
そして一度知らない人としゃべれる経験もしてた私は病院や床屋でもしゃべれるだろうと思いました。
それで小学校高学年になる頃には病院や床屋には一人で行き、しゃべるようになりました。
場面緘黙の人の中にはいつまでも親に甘えてて、高校生とか社会人になっても床屋にも病院にも一人で行けない人もいるそうです。
私がそうならずに済んだのは親嫌いだったことが幸いしたと思います。
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